2020年は北戴河会議が通常よりも長く開催されていると報道がありました。
この北戴河会議とは聞きなれない方も多いのではないでしょうか?
北戴河会議とは何か、読み方や北戴河会議に集まるメンバー(参加者)、開催される場所、歴史についてまとめてみました。
そして2020年は対米新8条が出されたという情報についも解説します!
目次
北戴河会議とは?読み方は?
北戴河会議とは中国の避暑地、北戴河で開かれるので”北戴河会議”と呼ばれていて、読み方は”ほくたいが – かいぎ”です。
日本のニュースサイトなどでは
中国河北省の避暑地、北戴河で中国共産党の最高指導部のメンバーや長老らが参加する非公式な会議
と表現されており、中国の政治を知らない人からすると何とも怪しく感じますよね(笑)
毎年7月下旬から8月上旬ごろにかけて、共産党の指導部や引退した長老らが避暑を兼ねて集まり、人事などの重要事項を非公式に話し合うとされる会議で毛沢東時代から開かれてきたが、会議の開催や結果は公表されないようです。
北京在住ジャーナリストの李大音氏は北戴河会議についてこのように述べています。
「中国の最高意思決定機関は、名目上は毎年3月に行われる全国人民代表大会(国会)ですが、全人代で決めることは、前年秋の共産党の全体会議で先に決めます。そして共産党の全体会議で決めることを先に決めるのが、『北戴河会議』。つまり、事実上の中国の最高意思決定会議なのです」(週刊現代)
北戴河会議の動向を国内メディアだけでなく海外メディアも重視している理由がここにあるようです。
北戴河会議の開催場所は?
北戴河会議が行われる場所は、北戴河。
北京から東に約300km行った渤海湾に面した別荘地帯です。
この場所が選ばれる理由は、後の『北戴河会議の歴史』にも書いてありますが、もともとは中国共産党の指導者が避暑地として使っていたからです。
北京から最も近い河北省秦皇島市にある海浜リゾート地(保養地)のある場所だから、この場所で会議が行われるようになったということですね。
北戴河会議の開かれる8月には北戴河は厳戒態勢が敷かれ、特に外国人(ひときわ日本人は)は、街の入り口の場所で警察の入念なチェックを受けるようなので、観光で訪れる際には要注意です。
北戴河会議の歴史
北戴河会議とはどんなものなのか、よく知らない場合には北戴河会議の歴史を見るとよくわかります。
北戴河会議の歴史の始まりは、1950年代からです。
中国共産党の指導者たちは北戴河で避暑をし、その合間に会議をしていました。
80年代に入り、党・政府そのものが夏は北載河で仕事をするようになります。
(実質的な権力者であった鄧小平や陳雲といった長老たちが夏の間、北京を離れて北戴河に住んだためと思われる。)
ところが2003年、胡錦濤は党と政府が北戴河に移って仕事をすることをやめました。
(これはこの時代になると80年代と比べ高速道路もできたし、通信手段も発達し政府や党が無理して移る必要がなくなったからという説があります。)
胡錦濤時代、北戴河で正式の「会議」らしきものが開かれた形跡はなく、この意味で公式の「北戴河会議」と呼ばれるものは終わったと言えます。
とはいえ、北京の夏は40度を超え、避暑地に行きたくもなる。
長老たちは、その後も北戴河に集まり、党と政府の主要幹部も北戴河に顔を出し続けた。
しかも有力者らが同じ場所にいるのだから、意思疎通ないし「根回し」にも便利だということで非公式の北戴河会議が続けられているようです。
こういった歴史を知ると、北戴河会議の重要性がよくわかりますよね。
北戴河会議のメンバー・参加者は?長老とは?
北戴河会議のメンバー・参加者は公には明かされていないと言われていますが、週刊現代の記事によれば現在の中国共産党中央政治局常務委員、いわゆる習近平主席以下「トップ7」、及び常務委員OBたちが北戴河会議のメンバー・参加者と書かれています。
北戴河会議には”長老”が参加すると書かれている記事が多数ありますが、引退した党のOBメンバーが長老と読ばれているようです。
北戴河会議のメンバー・参加者が会議で何をしているのか、内容や結果は非公開だそうです。
しかし日経ビジネスにとても面白い内容がありました。
そもそも中国共産党の意見集約は中国語で“個別醞醸(うんじょう)”と呼ぶやり方で行われる。これは民主主義国家のような透明性の高い議論を経て多数決で決めるというやり方とはまったく異なる。中国共産党も議論をし最後は多数決で決める形式をとるが、その前に“個別醞醸”をやらなければならない。これが中国共産党における組織運営の重要な原則なのだ。実に中国的なプラクティスであり、外からは分かりにくい。
“醞醸”という言葉はお酒を熟成させるように、話し合いながら物事を決めていくことをいう。筆者の経験の範囲で言えば、霞が関の「根回し」、それも相当に丁寧な「根回し」に近い。しかも、あらゆる場合にこれをやらなければならないのだ。こういう「根回し」の過程で一種の「相場観」が出てくる。これが中国式「空気」になる。この相場観に従い、党の方針が決まる。公開の場での議論と多数決は、そこで決まったことのお披露目の儀式であり、中身の決定ではない。中身はその前の“個別醞醸”で決まるのだ。
北戴河会議のメンバーや参加者が話し合ったこと、そのメンバー内の相場観で党の方針が決まっていて、毎年3月に行われる全国人民代表大会や、前年秋の共産党の全体会議はお披露目の儀式に過ぎないようです。
北戴河会議の新8条とは?
2020年の北戴河会議では対米方針新8条が出されたとされています。
この新8条は元中国共産党員で日本に帰化したジャーナリスト鳴霞(めいか)氏が自身のYoutubeチャンネル『鳴霞の「月刊中国」YouTube』で発信した内容です。
新8条に関して、大手のメディアが報じているものは今のところないと思われます。
1:米国の在中企業の全面的整理
2:新型核兵器の開発
3:国防費増大 GDPの4%
4:全親中国国家との(イラン、北朝鮮、アフリカの一部の国)と連携強化
5:米国の同盟国との乖離 ドル建て取引中止 親中国家とは人民元建てに変更
6:中国包囲網を必ず破る 台湾問題は武力で解決
7:全中国人に対して戦時中統制
8:米国と断交し徹底対決
この新8条が本当であれば、米中対立はさらに深まり緊張状態になると言えるでしょう。
大手のメディアが報じている訳ではありませんし、北戴河会議の内容や結果は基本的に非公開のはずなので、現時点では信頼できる情報とは断言できません。
まとめ
北戴河会議とは何か、読み方や北戴河会議に集まるメンバー(参加者)、開催される場所、歴史、そして新8条についてまとめてみました。
新しい情報が入りましたらまた更新していこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。