代理性ミュンヒハウゼン症候群の疑いがある母親が逮捕され、代理性ミュンヒハウゼン症候群という病気が話題になっています。
代理性ミュンヒハウゼン症候群はほとんどの方が聞きなれない名前だと思いますが、実際の事例や事件、映画を調べて見たところ、意外と出てきました。
代理性ミュンヒハウゼン症候群について知るほど、(筆者も母親ですが)母親が何か精神的な問題を抱えてしまったら陥るかもしれないな…と考えさせられてしまいました。
代理性ミュンヒハウゼン症候群の事件や事例、映画について紹介していきます。
目次
代理ミュンヒハウゼン症候群とは
代理ミュンヒハウゼン症候群を理解するにはまず、「ミュンヒハウゼン症候群」を知ると良いでしょう。
「ミュンヒハウゼン症候群」は虚偽性障害に分類される精神疾患の一種で、周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり、自分の体を傷つけ病気をつくって病院を渡り歩くような行動が見られるようです。
「ほら吹き男爵」の異名を持ったドイツ貴族、ミュンヒハウゼン男爵にちなんで命名されています。
「代理性ミュンヒハウゼン症候群」はその対象が自分ではなく代理(子供)になったもので、子どもなど弱者を使っておこなう虐待です。
代理ミュンヒハウゼン症候群の実際の事件や事例
代理ミュンヒハウゼン症候群の実際の事例や事件は日本ではどのくらいあるのでしょうか?
代理ミュンヒハウゼン症候群は80年代からちらほら出はじめ、90年代後半からは年間数例が報告されているようです。
厚生労働省の平成20年度の統計によれば、2008年4月から2009年3月までの間に心中以外で虐待死した児童67人中3人の児童が、代理ミュンヒハウゼン症候群により死亡しています。
「代理ミュンヒハウゼン症候群」と呼ばれる精神疾患のある親から、虐待を受けたと見られる子どもも22人にのぼりました。
全国の小児科医などで作るグループが、ことし1月までに全国900か所あまりの医療機関を対象に実施し、およそ半数の454施設から回答を得た調査では「代理ミュンヒハウゼン症候群」と呼ばれる精神疾患のある親から、虐待を受けたと見られる子どもも22人にのぼったようです。(NHK)
日本では、87%の確率で子どもを死に至らしめる可能性がある怖い症状です。(代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP) (児童虐待防止連絡会))
代理ミュンヒハウゼン症候群の事件(事例)で報道されたものとしては、2010年に京都の病院で、代理ミュンヒハウゼン症候群と診断された母親が、入院中の娘3人の点滴に水などを混ぜて死傷させた事件がありました。
この母親に懲役10年の実刑判決が言い渡されている。
また代理ミュンヒハウゼン症候群を疑われた事例(事件)としては2017年に報道された大阪府高槻市の21歳の女性が1歳だった昨年7月にインスリンを投与して低血糖状態にさせたとして、傷害容疑で逮捕された事件があります。
この事件では、容疑者は長女が入院中、24時間付きっきりで病室におり、取り調べが進むにつれ容疑を認め、「子供が体調不良になれば仕事を休めて一緒にいられると思った」と動機を明かしました。
容疑者のものとみられるブログには代理ミュンヒハウゼン症候群への言及もあった。概要を紹介した上で《いくら関心もってもらいたくても我が子に危害を与えるなんて考えられへん。何が憎くてそんなことするんやろ?》と、間接的に同症候群の“発症”を否定していた。(産経WEST)
この事件(事例)では、供述などから同症候群ではなかったと判断され、インスリンを混入させたコーヒーを飲ませ、低血糖状態にさせたとする傷害罪で光吉容疑者を起訴したとのことでした。
代理ミュンヒハウゼン症候群の映画
代理ミュンヒハウゼン症候群に関する映画を調べたところいくつかあるようです。
シックスセンス
娘に毒を飲ませ悲劇の母親を演じている代理性ミュンヒハウゼン症候群の母が出てくる映画です。
着信あり
映画に出てくる水沼美ヶ子という少女の亡霊が生前「代理ミュウヒハウゼン症候群」だったといわれています。
『The Act』※ネタバレあり
Huluで配信されているドラマで2015年にアメリカで実際に起きた事件のノンフィクションです。
代理性ミュンヒハウゼン症候群の母が、健康体の娘の髪の毛を剃り上げ車イスに乗せ、病気にかかっていると洗脳していた。
その事実を知った娘がこの支配された生活から抜け出すため、出会い系サイトで知り合った男性に母親の殺人を依頼し実行される。
現在その娘は10年の禁固刑で現在服役中で、「刑務所では今まで知らなかった自由を味わっている」と語っている、という衝撃の内容です。
ショートムービーThe Trouble With Mom – ‘Munchausen’
映画ではありませんが、代理性ミュンヒハウゼン症候群がよくわかるショートムービーがyoutubeにあります。
これを見ると、代理性ミュンヒハウゼン症候群の加害者にも精神的な問題があるとよくわかります。
まとめ
代理ミュンヒハウゼン症候群の事件や事例、映画についてまとめました。
代理ミュンヒハウゼン症候群の加害者は確かに裁かれるべきかもしれませんが、その加害者も精神に問題があり被害者という側面もあるんですよね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。