新型コロナウイルスの影響で私たちの生活を一変し、日常には大きな影響が出ていますよね。
アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒をしたり、マスクを着用したり…ほどんとの人がウイルス対策を日々されていると思います。
今回は大阪大学と研究開発会社の「エースネット」(東京)が共同で研究し開発した「要時生成型二酸化塩素水溶液」について調べてみました。
「要時生成型二酸化塩素水溶液」に使用される「二酸化塩素」という物質、は聞きなれない人も多いかもしれませんので、ニュースに補足する形で二酸化塩素とは何なのか、人体への影響や危険性、商品を選ぶ際の注意点などについてまとめてみました。
要時生成型二酸化塩素水溶液とは?
まずはじめに、「要時生成型二酸化塩素水溶液(=MA-T)」は大阪大学と研究開発会社の「株式会社エースネット」(東京)が共同で研究してきたもので、平成26年に同社によって除菌消臭剤として商品化された水溶液で、株式会社エースネットが独自に開発した技術であり特許を所得しています。
「要時生成型二酸化塩素水溶液(=MA-T)」がどんなものなのか知るためには「二酸化塩素」という物質の特徴から考えるととてもわかりやすいです。
二酸化塩素とは
ハウスクリーニングなどを手がける株式会社美建社によると
次亜塩素酸ナトリウムよりも安全性が高く、消毒剤としても優れた二酸化塩素ですが、二酸化塩素は多少の熱や光で分解されてしまう不安定なガスであるため、そのままの状態で保存することが難しいという問題があります。
そのため、一般的には水に溶け込ませた「二酸化塩素水溶液」として運搬・保存するのですが、二酸化塩素水溶液は少しの衝撃や紫外線に敏感に反応してガスを放出・分解するため、二酸化塩素の濃度を維持することができません。
一方、安定化二酸化塩素は、保存性が悪いという二酸化塩素の欠点を補うために、物性的に安定な状態を保ちつつ、徐々に二酸化塩素を放出するように安定化した薬剤のことです。
例えば、亜塩素酸塩という薬品に酸を加えて反応させる二酸化塩素を発生させることができます。
「安定化二酸化塩素」は、この反応がゆっくりと起こるように調節された混合物であり、二酸化塩素そのものではありません。
つまり、二酸化塩素は不安定なガスであるため、運搬・保存するために水に溶け込ませた状態が「二酸化塩素水溶液」。
その「二酸化塩素水溶液」は保存性が悪いため、二酸化塩素を放出するように安定化した薬剤として「安定化二酸化塩素」が商品として出回っている。
ということです。
そして「要時生成型二酸化塩素水溶液(=MA-T)」とは、ウイルスや菌に反応して二酸化塩素を発生させる商品で、大阪大大と研究開発会社の「エースネット」(東京)が共同で研究し、平成26年に同社によって除菌消臭剤として商品化されたものです。
二酸化塩素の商品を購入する際の注意点
「要時生成型二酸化塩素水溶液(=MA-T)」以外にも「二酸化塩素」の商品は販売されています。
「二酸化塩素」の商品をネットで商品を探すと、「安定化二酸化塩素」と記載された商品もあり、安定化二酸化塩素製品のなかには「二酸化塩素が発生するのは最初だけ」という商品も存在するようです。(株式会社美建社)
そのため安定化二酸化塩素を使った製品を購入するときは、効果の持続性に注意する必要があります。
「要時生成型二酸化塩素水溶液(=MA-T)」を使用した製品で市販で購入できる商品を株式会社エースネットに問い合わせたところ、A2Careという商品が購入できるようです。
ちなみに同じ株式会社エースネットの商品でも、「要時生成型二酸化塩素水溶液(=MA-T)」ではない商品もあるようなので注意が必要です。
(エースネットの『マタタコロ』という商品は”最終出荷からの期間鑑みますと使用期限を超過してお
ちなみに同じ株式会社エースネットの商品でも、「要時生成型二酸化塩素水溶液(=MA-T)」ではない商品もあるようなので注意が必要ですと記載しましたが、エースネットの『マタタコロ』という商品は”最終出荷からの期間鑑みますと使用期限を超過してお
二酸化塩素の危険性や人体への影響は?
二酸化塩素の危険性や人体への影響は実際のところどうなんでしょうか。
産経新聞の記事には「要時生成型二酸化塩素水溶液」について大阪大は以下のように説明したと記載されています。
「ウイルスなどに反応したときのみ最小限の二酸化塩素を生成するため、刺激や塩素臭などがなく、安全性が高いのが特徴。反応すべき菌やウイルスが存在しないときは無刺激、無毒で口にしても問題ない」
では市販の二酸化塩素製剤はどうなのでしょうか?
2019年5月9日に投稿された 日本医事新聞社の記事にはこのように記載されています。
二酸化塩素はわが国では消毒薬に分類されていない未認可物質であることを理解しなければなりません。
(中略)
近年,市中に出回っている製品のように,インフルエンザなどのウイルス感染を予防できるという効能・効果を表示しているものがありますが,厚生労働大臣による医薬品としての製造販売承認が得られていないものに該当しますので,その効果については一定の評価はできません。ウイルス感染を予防できると商品の効果・効能として表示するには厚生労働大臣による医薬品としての製造販売承認が必要であり,医薬品として販売されている二酸化塩素製品は存在しません。
殺菌効果からみると,二酸化塩素は次亜塩素酸ナトリウムよりも強力な殺菌作用を示しますが,閉鎖空間において二酸化塩素ガスを使用することは生体毒性の面から推奨されません。
このように,二酸化塩素の安全性については米国では作業環境基準がありますが,わが国では基準がありません。低濃度において長期間曝露した場合の安全性は検証されていません。
(中略)
塩素製除菌剤を首からぶら下げて幼児を抱いていたところ,幼児の胸部が化学熱傷を負う事故も発生していますので,食品添加物であっても必ずしも安全であるとは言い切れません。
実際に二酸化塩素や二酸化塩素水溶液に関しては厚生労働省のサイトにも記載がありません。
今回の大阪大学の研究をきっかけに、さらに研究が進み安全の基準が定められたり、安全性の高い使用方法、商品が出てくる可能性は多いにあると考えられます。
まとめ
二酸化塩素の新型コロナウイルスへの効果と、人体への影響や危険性、商品を選ぶ際の注意点についてまとめました。
現状では二酸化塩素の人体への影響や危険性が十分に検証されていませんので、二酸化塩素水溶液等の商品を使用する場合はメーカーによる注意書きを確認して使うのが良いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。